就活をする学生が必ず参加するといっても過言ではないのがインターンシップ。2022年現在、企業が1dayインターンシップを開催することは一般的であり、近年は競合他社との差別化のため、その内容やコンテンツの重要性が高まっています。
そのため、どのようなインターンシップの内容にすればよいのかと頭を悩ませている人事の方も多いのでしょう。
本記事ではゲーム型インターンシップを実施したほうがいい理由や、ゲーム型インターンシップの事例を6種類ご紹介していきます。
ゲーム型インターンシップとは
ゲーム型インターンシップとは、業務の一部やビジネスの1シーンを体験するためのシミュレーションゲームをインターンシップで実施することです。
企業の収益構造や、業界の構造、企業が重要視する考え方、仕事の進め方など、言葉だけでは学生が理解しにくい概念をゲームで疑似体験することで理解させやすくなります。
ボードゲーム系のものから何かを制作するものまで、企業が疑似体験させたい内容によってコンテンツやルールは様々です。
オリジナルのビジネスゲームを作れば採用の競合とインターンシップの内容が被らないので、就活生から印象に残りやすいのは間違いありません。
ゲーム型インターンシップをするべき3つの理由
ゲーム型インターンシップするべき理由は3つです。
- 参加動機を醸成しやすい
- 参加者の印象に残りやすい
- 参加者のポテンシャルがでやすい
1.参加動機を醸成しやすい
業務体験をゲーム形式ですることで、職業体験に面白みを足すことができます。
業種・業界だけでは参加の惹きつけをできない学生に対しても「このゲームなら面白そうだから参加してみたい」と思わせ、集客力が高まります。
また、参加させたい学生の傾向に合わせたゲームの魅せ方にすれば集客したいターゲットとなる学生を効率的に集めることもできます。
2.参加者の印象に残りやすい
ゲーム型インターンシップは、学生は講義を聞くのではなく、能動的に疑似的な業務を体験することができます。
自ら能動的に学ぶことは、アクティブラーニングとよばれ、そこで得た知識は定着しやすく、記憶に残りやすいといわれています。
記憶に残ることで、印象に残り、いざ就活本番となったときに「そういえばあそこ受けてみようかな」と他社よりも一歩リードできます。
また、参加者同士が楽しみながら参加できるゲーム形式のインターンシップは満足度が高くなりやすく、その後の選考参加率が高まるといった効果もあります。
3.参加者のポテンシャルがでやすい
インターンシップ中と選考を兼ねておこなう企業もなかにはございます。ゲーム型のインターンシップでは、学生のポテンシャルを見極めやすいというメリットがあります。
制限時間や競争要素を組み込むことで、「他のチームに勝ちたい!」という気持ちが強まり、学生はゲームに集中します。
課題に対しての考え方や、負けそうになったときの挙動など、通常の選考だけでは見ることができない学生のポテンシャルを見ることができます。
ゲーム型インターンシップ導入事例6選
ここまでゲーム型インターンシップを実施するメリットについてお伝えしてきました。
そのように思われた方もいるでしょう。
そこで実際にビジネスゲーム型インターンシップコンテンツを6つご紹介します。
営業疑似体験ゲーム
ゲームの概要
- 企業でおこなわれている営業を疑似体験できるゲーム
- 企業によってやり方はさまざまで、企業や業界にちなんだ内容が多い
- 用意されたプランやカードなどを使いながら、相手と交渉する
- チームや個人で売り上げを競う
営業疑似体験は、決まったルールがあるわけではなく、企業が独自に考えた内容が多いです。
企業側としては、選考だけでなく、業界や企業の知識を深めてもらおうという意図があります。
ゲームの意図
このゲームでは、コミュニケーション能力や交渉力、柔軟性、計画性などビジネスマンに必要なさまざまな資質が求められます。
交渉の場面でいかに相手を説得させるかはもちろん重要ですが、上手な交渉のためには事前の戦略が必須です。
グループのメンバーと、あらゆる場面を想定して戦略を立てましょう。
NASAゲーム
ゲームの概要
- 宇宙船に乗って月への着陸を目指していたが、母船から遠く離れた場所に不時着してしまったという設定
- 残った15のアイテムを、生き残るために必要な順に優先順位をつける
- まずは1人ずつ優先順位を考える
- その後グループ内でそれぞれの意見を発表し、最終的に1つの意見にまとめる
- NASA公式の模範解答があり、それに近いチームが勝利
NASAゲームは、コンセンサス(合意)ゲームとも呼ばれ、グループメンバーの合意を形成しながら1つの意見にまとめるゲームです。
ゲームの意図
メンバーそれぞれの考えがある中で、誰かが折れるのではなく、全員が納得する形で順位をつける必要があります。
そのため、このゲームでは、「論理的に話す力」「意見をまとめる力」が求められます。
みんなに納得してもらえるよう、自分の意見を話す際は根拠を明示して、論理的に話しましょう。
また、グループ内で意見が異なる場合は、他者の意見を受け入れたり折衷案を出したりと、1つの優先順位にまとめるための行動も必要です。
野球ポジション当てゲーム
ゲームの概要
- 1チーム4~6人で構成され、1人3~4枚の情報カードが配られる
- カードには、野球のポジションに関する情報が書かれている
(例:センターはレフトより背が高く、足も速い・佐藤選手は外野選手である) - カードは自分以外に見せてはならず、情報を口頭で共有して誰がどのポジションかを導き出す
- 正解発表
このゲームは、分断された情報をつなぎ合わせて答えを導き出す、ジグソーメソッドと呼ばれる手法を用いるゲームです。
ゲームの意図
全員がそれぞれの情報を発言する必要があるため、自分のもっている情報を正確に分かりやすく伝える必要があります。
また、口頭での共有となるため、メモをとるなどして全員の意見をまとめることも大切です。
詳しいゲームのルールは【野球のポジション当てゲーム】インターンや社員研修で使えるコミュニケーションゲームを紹介!をご覧ください。
脱出ゲーム
ゲームの概要
- グループごとにヒントや資料を探して、部屋を脱出する
- 制限時間内に脱出できればクリア
このゲームは、一般的な脱出ゲームと基本的には同じ内容で、机の上ではなく歩き回っておこないます。
ゲームの意図
チームで協力しながら1つ1つの謎を解いていくため、柔軟な思考や臨機応変さが求められます。
また、宝探しと同様にゲーム性が高いので、熱中しすぎないよう注意が必要です。
フローチャートパズル
ゲームの概要
フローチャートに見立てたカードを制限時間内に組み合わせ、パズルを完成させるゲームです。
ただし、カードには枚数制限があるため、組み合わせを工夫しないと途中でカードが不足してしまいます。
ゲームの勝敗は、
- 制限時間内に解けたパズル数
- パズル完成時の残り時間
- カードの残数
によって得点を計算し、多い方が勝者となります。
ゲームの意図
フローチャートパズルは、プログラミングの疑似体験ができるパズルゲームです。
このゲームではプログラミングの概念を学ぶことができるため、主にIT系の業界理解や仕事理解につながります。
ワークスタイルトランプ
ワークスタイルトランプは、トランプを通じて自分の理想的な働き方を考えるゲームです。
ゲームの概要
「働き方」に関するキーワードが書かれた52枚のトランプの中から、最も重要だと思うカードを10枚選択します。
選んだカードから、学生がどのような価値観を持っているのかを知ることができます。そのカードを選んだ理由についてディスカッションをすると、より理解を深められるでしょう。
その際に、自社での働き方に関してうまく伝えることができればその後の応募につながるかもしれませんね。
ゲームの意図
学生は自分がどんな働き方をしたいのかを再認識することができるため、自己理解を深めることができ、企業は参加してくれた学生が自社で働いてくれそうかを判断できるため、採用活動に活かすことができます。
企業理解を深めるゲーム型インターンシップを実施しよう
業界ごとのビジネスモデルや、業種ごとのし頃の進め方は、講義形式だで理解してもらうのは難しいでしょう。
まだ社会人経験がない学生であれば、なおさらイメージがつきにくいものです。
インターンシップの集客力の向上、学生の企業理解度も満足度も向上させることができるゲーム型インターンシップ。
是非、採用活動に取り入れることをおすすめします。